和歌山女児虐待死 容疑で逮捕の両親「病院連れて行かず」発覚逃れか

2025/09/27 19:37 

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 和歌山市で2歳の長女を虐待して死亡させたとして両親が逮捕された事件で、両親が和歌山県警の調べに「虐待を疑われるかもしれないので長女を病院に連れて行かなかった」と供述していることが、捜査関係者への取材で判明した。母親は女児の容体が急変するまで救急搬送を要請せず、病院でも遊具事故で女児が負傷したと説明していた。県警は暴行を隠す狙いがあったとみている。

 死亡したのは平流菜(るな)ちゃん。県警は昨秋から今年7月上旬にかけて当時住んでいた和歌山市の自宅で繰り返し暴力を振るい、治療を受けさせずに死なせたとして、父親の晴流(はる)(26)と母親の菜々美(26)両容疑者を保護責任者遺棄致死容疑で26日に逮捕した。

 流菜ちゃんは7月10日朝に嘔吐(おうと)して容体が急変し、菜々美容疑者が119番。心肺停止状態で救急搬送されたが死亡が確認された。この時の検査で、あごの骨折が判明した。

 捜査関係者によると、菜々美容疑者は流菜ちゃんのあごの負傷について「ジャングルジムから落ちた」と病院に説明していた。しかし、その後の警察の調べに「7月上旬に自宅で背中を押したら倒れ、顔を床に打ち付けた」と供述したという。

 両容疑者は繰り返し暴行を加えていたと容疑を認めており、病院に連れて行かなかった理由を「虐待を疑われるかもしれなかったから」と話しているという。

 流菜ちゃんの死因は全身打撲による外傷性ショックだった。死亡時の体重は2歳児平均の半分ほどの約6キロしかなく、県警は2人が十分な食事を与えずに育児放棄(ネグレクト)もしていたとみて調べている。

 県警は27日、両容疑者を送検した。【恒成晃徳、藤木俊治】

毎日新聞

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