菅井竜也八段が白星発進 初陣の大橋貴洸七段降す 王将戦リーグ

2025/09/26 21:59 

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 ALSOK杯第75期王将戦リーグ(毎日新聞社・スポーツニッポン新聞社特別協力、ALSOK特別協賛)1回戦の菅井竜也八段(33)-大橋貴洸七段(33)戦が26日、大阪府高槻市の関西将棋会館であり、菅井八段が127手で勝って幸先良いスタートを切った。2次予選で羽生善治九段(54)ら名人経験者3人を連破して初のリーグ入りとなった大橋七段は初陣を飾れなかった。

 ◇強い「菅井将棋」復活

 あらかじめ先手番と決まっていた菅井八段は、一番経験の多い中飛車を採用し、大橋七段は居飛車で対抗した。中盤戦で角交換になった後、大橋七段が5筋でにらみ合う飛車の交換を迫ったが、菅井八段は5五歩(51手目)と打って拒否。「本当は飛車交換をして、(取った飛車を敵陣に打ち込んで)攻めていきたいが、自陣の守備駒の金が6筋に離れていて、玉の囲いも中途半端な穴熊なので決戦はよくないかなと思った。形勢は若干、苦しいかと思ったが、結構、手が広いので……」と、自重した理由を明かした。

 終盤、相手の金に当てて、3七桂(111手目)と跳ねることができて形勢の好転を感じたというが、その前から大橋七段に有効な手段を与えず、大差をつけての勝利だった。「強い菅井将棋の復活と見ていいか」との記者の問い掛けには、笑いながら「精いっぱい頑張ります」と答えた。

 ◇真っ赤なジャケットで臨んだ初陣

 一方、「リーグ戦はスーツも注目してほしい」と話していた大橋七段。真っ赤なジャケットとピンクのズボンというカラフルないでたちで臨み、穴熊の相手に飛車交換を迫るなど、意欲的な指し回しを見せたが、ほろ苦いデビュー戦となった。

 「どこが悪かったか……。はっきり悪い手を指したというより、徐々に悪くなった。中盤戦でいい選択ができなかったような気がする。玉の堅さで振り飛車側に主張ができて、こちらの玉は薄い展開が続き、勝ちにくさを感じた」と対局を振り返った。

 7人が参加する王将戦リーグは、1人が6局を戦って藤井聡太王将(23)への挑戦権獲得を争う。大橋七段は「局数もあるので、成長の機会だと思って次戦以降も頑張りたい」と、敗戦にもさばさばした表情だった。【新土居仁昌】

毎日新聞

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