タイムマシン? 「デロリアン」風内装のミゼット、復興支援に出発

2025/09/24 16:31 

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 ミゼットの車内はSF映画に登場するタイムマシン?

 奈良トヨタ(奈良市南京終町2)がレストア(復元)した「ミゼット(1970年)」が24日、東日本大震災の被災地支援に向けて出発した。レストアを依頼したのは、東北で復興支援を続ける宮崎県のボランティア団体。きれいに復元されただけでなく、団体のこだわりと思いが詰まった個性的な内装に仕上がった。

 ミゼットの所有者は宮崎県日向市の任意団体「ひむかの杜 八福神」。コロナ禍を除き、東日本大震災の被災地に足を運び、復興支援活動を続けている。

 奈良との縁は2012年8月にさかのぼる。ボランティア帰りのメンバーが春日大社の朝拝に参加したことがきっかけで、春日大社と交流するようになった。24年11月には、春日大社金龍神社に石灯籠(とうろう)を奉納するなど親交を深めていた。

 「所有しているミゼットを奈良で修理したい」。春日大社は八福神から聞き、名車のレストア活動を20年近く続ける奈良トヨタにつないだ。菊池攻社長は八福神の活動内容や思いに感銘を受け、レストアを引き受けた。

 預かったミゼットは既にEV(電気自動車)に改造されていたり、荷台の一部が腐食して穴が開いていたりと、今まで手がけた車よりもハードルは高かった。エンジニアの尽力もあって、5カ月かけて修理した。

 内装にはどのような特色を持たせたのか。八福神の前代表が米SF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」好きだったことから、映画に登場するタイムマシン「デロリアン」の車内そっくりに。行き先の時代を設定する「タイムサーキット」などを再現するための部品は日本内外から取り寄せた。24日、奈良本社であった出発式で披露され、菊池社長や来賓らが目を輝かせた。

 八福神は、ミゼットとともに24日から10日間ほど、岩手県陸前高田市や宮城県気仙沼市などを回る予定だという。三堀俊之代表は「東北の人にミゼットを見てもらい希望を持ってほしい」と話した。【木谷郁佳】

毎日新聞

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