東京都八王子市のスーパーナンペイ大和田店で女性３人が射殺された強盗殺人事件で、亡くなった矢吹恵さん（当時１７歳）が通っていた桜美林高校（町田市）で、矢吹さんの同級生らが事件の風化防止や銃の根絶を訴えるパネル展を開いた。

　同級生らでつくる「銃器根絶を考える会」が同校の文化祭に併せて毎年開催。在校生を対象に実施した「銃に対する意識調査」の結果を紹介した。

　調査は銃の所持や銃社会に関する考えをアンケート形式で尋ねるもので、同会が１９９６年から不定期で行っている。「銃の被害者になる不安を感じる」と回答した生徒は前回（２０１０年）比２３・３ポイント増の６１・３％で、過去最高だった９６年の５９％をわずかに上回った。一方、「今後も日本で銃犯罪が増え続ける」と考える生徒は同５ポイント減の５５％だった。

　同会によると、インターネットの普及で海外の銃犯罪などの情報に多く接するようになり、危険性が理解されやすくなったとみられるという。事件当時、矢吹さんの学年主任だった伊藤孝久さん（７４）は「展示を通じて今の子どもたちに事件や銃犯罪について考えてもらうことで、風化をくい止めたい」と話した。【松本ゆう雅】