教え子の女児7人に性的暴行などの罪 元柔道塾長に懲役25年求刑

2025/09/10 21:00 

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 柔道塾の教え子だった女児に性的暴行やわいせつな行為を繰り返したなどとして、不同意性交などの罪に問われた「石野柔道塾」元塾長の石野勇太被告(33)=千葉県市原市=の論告求刑公判が10日、千葉地裁(宮本聡裁判長)であった。検察側は懲役25年を求刑し、弁護側は寛大な判決を求めて結審した。論告に先立って被害女児の母親が法廷で意見陳述し、「できるだけ重い刑罰を科してほしい」と訴えた。判決は10月22日に言い渡される。

 起訴状などによると、石野被告は2019年10月~24年10月、柔道塾の合宿などで、いずれも13歳未満の教え子の女児7人にわいせつな行為や性的暴行を繰り返し、撮影もしたなどとしている。また無理やりしょうゆを飲ませたなどとして、男児への暴行罪にも問われている。

 公判で石野被告は起訴内容を認め、「(女児に)触れてみたい気持ちがあった。だめだと分かっていたが続けてしまった」と話した。飲み物に睡眠薬を混ぜ、女児を眠らせた上で暴行したとされるケースもあった。

 被害者参加制度で意見陳述した被害女児の母親は「娘は一生懸命柔道に向き合っていたのに、許せない」と怒りをあらわにした。柔道塾の合宿参加は強制で、被告は「みんなでやり遂げるため」と説明していたという。この母親は、保護者の目の届かない合宿が被告の性欲を満たす「装置」だったのではないかと話し、「娘を送り込んでしまって悔やんでも悔やみきれない」と声を震わせた。

 検察側は論告で、「自己中心的で卑劣な犯行。被害者に与える衝撃や心理的悪影響は計り知れない」と指摘した。弁護側は「被告は犯行を自白し、再犯しないことを誓っている」と寛大な判決を求めた。【林帆南】

毎日新聞

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