高校生「立ち直るには?」 特別授業でトヨタ会長が出したアンサー

2025/09/05 16:30 

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 「アキちゃんと呼んでください」。トヨタ自動車の豊田章男会長が5日、友人のサッカー元日本代表監督・岡田武史さんが学園長を務めるFC今治高校里山校(愛媛県今治市)で特別授業を行った。2024年10月に次いで恒例になりつつあり、今回も自身の経験から生きる指針を示した。授業後は生徒らを次々と助手席に乗せ、豊富な経験を持つドライバーとしてデモ走行をグラウンドで披露した。

 24年に開学した同校は、海図のない時代にも主体性を持って困難に立ち向かうリーダーの育成に乗り出し、1、2年生の約110人が学ぶ。2回目となった豊田さんの授業にも生徒らは質問を用意して臨んだ。

 「批判を受けながらも挑戦を続けるとはどういうことでしょうか」との問いに、豊田さんは「批判を受けることは本当につらいが、生き続けることが何より大事だと思う。生き続ければ仲間ができ、実績、経験が残る。それが役に立つ。皆さんは自分の人生を自分でプロデュースできる環境にいる」と励ました。

 また、「生きる意義を見失った時、どのように立ち直るのでしょう」との質問には、「生き続けるのは1人では無理。皆で助け合い、支え合うことを大事にしたい」としたうえで、「今の世の中、分断や批判の方向に行っちゃっている。共感、感動、『ありがとう』と言い合える関係が大切なんです。それも笑顔でね。きっと自分の周りも変わるはず」との考えを示した。

 同校1年の石丸宗弦(そうげん)さん(15)は「大きな壁に直面した時も逃げず、ごまかさず、うそをつかないという豊田さんの姿勢が素晴らしい」と話した。自身が取り組むビーチテニス競技でも心の励みにしていきたいという。【松倉展人】

毎日新聞

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