疑惑の発端、伊東市長の「卒業証書」 弁護士に預けるとどうなる?
静岡県伊東市の田久保真紀市長の学歴詐称疑惑で、市議会は9月1日、市長に対する不信任決議案を審議する。疑惑の発端となった「卒業証書」とされる文書の現状について記者が解説します。
Q 田久保市長側が捜査機関に「卒業証書」を提出しない方針だと聞いたよ。どういうことなの?
記者 市長は市議会で追及された当初、東洋大の「卒業証書」だとする文書を市議らに示していましたが、その後除籍だったことが判明しました。この文書は市長の弁護士が事務所の金庫に保管しているとされます。公職選挙法違反の疑いで刑事告発されましたが、弁護士は「押収拒絶権」があると主張しています。
Q どういう権利なの?
A 個人の秘密を取り扱うことが多い弁護士や医師など特定の職業に限って刑事訴訟法で認められています。弁護士らに明かした秘密が次々に明らかにされると信頼できなくなりますよね。職業に対する社会的な信頼を守ろうという趣旨で設けられています。
Q 実際に使われているのかな?
A 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が保釈中の2019年末に逃亡した事件で、東京地検特捜部は令状を取得して元弁護人の事務所を捜索しました。元弁護人が起こした国家賠償訴訟で、東京地裁は押収拒絶権の趣旨に照らして捜索を「違法」と判断しました。
Q 今回はどうなるんだろう?
A 刑事告発と近接して弁護士に文書を預けたケースにも見え、「職業に対する信頼」という法律の趣旨との整合性がポイントになりそうです。「卒業証書」が市長の秘密に当たるなら、捜査当局にとっては捜索しても「違法」となるリスクがあります。
回答・岩本桜(社会部東京グループ)
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