熊本に大雨特別警報 浸水や崖崩れ発生 新幹線も全線見合わせ

2025/08/11 08:19 

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 前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で九州北部で線状降水帯が相次いで発生し、気象庁は11日未明、熊本県玉名市と長洲町に大雨特別警報を発表した。早朝から朝にかけて、同県八代市、宇城市、氷川町、上天草市にも発出。各地で猛烈な雨が断続的に降り、浸水や崖崩れなどの被害が出ている。

 24時間の降水量は、熊本県玉名市406・0ミリ▽同県山都町362・5ミリ▽熊本市中央区329・0ミリ▽長崎県雲仙市306・5ミリ――を観測した。気象庁は、九州南部で11日昼前にかけて、九州北部で昼過ぎにかけて線状降水帯が発生する恐れがあるとしている。

 熊本県では被害の情報が相次ぎ、同県美里町では土砂崩れが起きて民家1軒が巻き込まれ、住民1人と連絡が取れていない。同県玉名市の境川では11日未明に「人が流されたかもしれない」と119番があり、消防が捜索している。

 同県甲佐町では「車で逃げようとしていて、土砂崩れに巻き込まれた」と119番があった。家族4人で車で避難していたとみられ、女性と子ども2人の計3人が救助されたが、女性の夫が行方不明という。

 大雨の影響で九州新幹線は、11日の始発から全線で運転を見合わせている。九州自動車道は菊水インターチェンジ(IC、熊本県和水町)―人吉IC(熊本県人吉市)間の上下線で通行止めとなっている。

 引き続きまとまった雨が降るとみられ、気象庁によると、12日午前6時までに予想される24時間降水量は多い所で、九州北部250ミリ▽東海、四国200ミリ▽近畿180ミリ▽関東甲信150ミリ▽北陸、九州南部120ミリ▽中国100ミリ▽東北80ミリ――となっている。【中里顕、栗栖由喜】

毎日新聞

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