大相撲九重部屋の夏合宿中止 「ヒグマ警報」受け 北海道・福島町

2025/07/17 14:54 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 北海道福島町の住宅街で12日未明に50代男性がヒグマに襲われ、死亡した事故で、町は17日、8月に町内での開催を予定していた大相撲九重部屋の夏合宿の中止が決まったと明らかにした。町は横綱・千代の山と千代の富士の生誕の地として知られ、力士の稽古(けいこ)が一般公開されるため、多くのファンが訪れる。

 町によると、道が町全域に「ヒグマ警報」(8月11日まで)を発出していることを受け、町と九重部屋が協議して夏合宿の中止を決めた。町内ではヒグマの目撃が相次いでいる状況で、町民の安全確保を優先し、8月に予定していた二つの夏まつりの中止と延期も決めた。

 住宅や店舗の生ごみがヒグマを引き寄せている可能性があり、町と松前署はごみの野外保管をやめるよう呼びかけている。町観光協会の担当者は「イベントは食べ物を扱うため、管理の徹底や夜にかけての開催となるため、安全性に考慮した」としている。

 町内では公共施設の臨時休止やスーパーの営業時間の短縮など住民生活に影響が出ている。

 鳴海清春町長は16日に町役場で記者会見し、山から市街地へのクマの侵入を防ぐため、クマの出没が続いている月崎、三岳両地区周辺に箱ワナ6基を設置し、6人のハンターで駆除を進めると説明。クマが身を潜められないよう町内の草刈りを行う準備も進める。

 町は18日の町議会に緊急対策費として3000万円を盛り込んだ補正予算案を提出する。【三沢邦彦】

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報