JR美祢線、BRTで復旧へ JR西で初 豪雨で被災し全線運休
2023年夏の豪雨で被災し、全線運休が続く山口県のJR美祢(みね)線を巡り、沿線の3市と県、JR西日本などでつくる利用促進協議会は16日、同県山陽小野田市で臨時総会を開き、鉄道での復旧を断念し、バス高速輸送システム(BRT)の導入を軸に検討を進める方針を決めた。今後、知事と3市の市長が協議し、最終決定する。被災した鉄道路線をBRTに転換して復旧するのは全国4例目で、JR西では初めてとなる。
美祢線は県を縦断する厚狭(あさ)(山陽小野田市)―長門市(長門市)の約46キロ。23年6月30日から7月1日の豪雨で、湯ノ峠(ゆのとう)(山陽小野田市)―長門湯本(長門市)の約37キロの区間で橋が流されたり、盛り土が流出したりするなど計80カ所で被災した。
利用促進協議会の下に設置された復旧検討部会は、鉄道▽BRT▽路線バス――の3案で復旧費などを試算。鉄道での復旧費は58億円以上、年間運営費は5・5億円以上、復旧まで最低10年を要するとした。
一方、全線をBRTに転換し、湯ノ峠―厚保(あつ)(美祢市)のうちの約4・2キロを専用道化する案では復旧費は約55億円、年間運営費は約2・5億円で、復旧まで3~4年とされた。JR西は「BRTでの復旧が望ましい」としていた。
この日の臨時総会では沿線3市の意見がBRTでおおむね一致。終了後、取材に応じた利用促進協議会会長の篠田洋司・美祢市長は「自治体にとって運営費の負担が少ない運行手段で、いち早く復旧して前に進みたい。BRTで便数を増やし、通勤や通学、観光客など利用者の利便性を高めて、鉄道と同等のネットワークをつくりたい」と述べた。費用負担などについては、今後設置する法定協議会で話し合う。
◇東日本大震災以降、相次ぐ転換
被災した鉄道路線をバス高速輸送システム(BRT)で復旧させる例は2011年の東日本大震災以降、相次いでいる。12~13年にはJR東日本の気仙沼線と大船渡線、23年には九州北部豪雨(17年)で被災したJR九州の日田彦山線のそれぞれ一部区間に導入された。
鉄道事業者にとっては、採算の見込めない路線に多額の復旧費をかけることは経営悪化につながりかねない。県や沿線自治体が鉄道施設を所有し、事業者は運行を担う「上下分離方式」で鉄道を復旧した例もあるが、被災した自治体の台所事情は苦しく、国や県などの支援がない限りは鉄道での復旧は難しいのが実情だ。
BRTに転換すれば、事業者は施設の維持管理費などを抑えることができ、利用者のニーズに応じて路線や乗降場を設置することも可能だ。利用者にとっては路線バスよりも安価な料金で乗ることができる場合もある。
事業者と利用者双方にメリットがあるように見えるが、大阪産業大学の波床正敏教授(交通計画)は「利用者が少なくなれば路線そのものが消滅する恐れもある。鉄道と同等の利便性を実現するにはかなりの努力が必要で、BRT駅を中心としたまちづくりを実施するなどの変革が求められるだろう」と指摘する。【杉山恵一】
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