「最低賃金一律引き上げ、参院選の争点に」 労組の有志らがアピール

2025/07/04 15:50 

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 最低賃金(最賃)の引き上げに取り組んでいる労働組合が、2025年度の最低賃金の審議が本格化するのを前に、物価高を踏まえ全国一律1500円(時給)の最賃実現などを求めるアピールを公表した。また、引き上げを参院選の争点にすることなども訴えた。

 アピールしたのは、労組の全国組織の全労連と全労協、労組有志で作る最低賃金大幅引き上げキャンペーン委員会の3団体で作る「最低賃金上げろ 共同アクション」。1日に東京都千代田区の厚生労働省で記者会見した。

 会見では、最賃の目安を審議する中央最低賃金審議会に向けて、審議では①働く人の生活に必要な金額(生計費)に重きを置いて判断する②地域間の最賃格差を解消する道筋を示す③全ての審議内容を公開する――ことなどを求めた。

 中小企業で働く個人加盟の組合員が多い下町ユニオンの石井美登理運営委員長は「最賃近くで働く仲間は、お米が高いので、食べ盛りの小学生に『おかわりはがまんして』と言わざるを得ない状況だ。働いているのに、どんな気持ちでこの言葉を言っているのか。生活できる最賃が必要だ」と話した。また、キャンペーン委員会の河添誠さんは「審議会の詳細な議事録が公開されていない。最賃の決まり方の事後検証もできないのは問題だ」と指摘し、議事録作成と公開を求めた。【東海林智】

毎日新聞

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