英ダガー賞の王谷晶さん スピーチで「リアルの暴力」否定し平和願う
優れたミステリー・犯罪小説に贈られる英国推理作家協会賞(ダガー賞)の受賞作が3日(日本時間4日)発表され、翻訳部門に王谷晶(おうたにあきら)さん(44)の「ババヤガの夜」(サム・ベットさん訳)が選ばれた。日本人として受賞は初めてで、アジアでも2021年の韓国のユン・ゴウンさんの「夜間旅行者」に次いで2人目。
日本の版元である河出書房新社によると、王谷さんはロンドンで行われた授賞式に出席。受賞のスピーチで「私はミステリー専門の作家ではありません。さまざまな種類の作品を書きます。日本では作品と作家は細かくジャンル分けされているので、私は曖昧な作家と思われています。曖昧であることは私の作家としてのテーマそのものです。自分の曖昧さを受け入れ、他人の曖昧さを認めることが世の中をよりよくすると信じています」などと語った。
また、「ここにお集まりの皆さんは私と同じく血や殺人や犯罪や、復讐(ふくしゅう)や暴力が大好きな方々だと思います。もちろんフィクションの。私はバイオレンスフィクションの愛好家ほど、よりさらに現実世界の平和を願い行動しなければいけないと思っています」と呼びかけたうえで、「リアルの暴力があふれている世界では、フィクションの暴力は生きていけません。歴史が物語っています。これからも首無し死体やパーティーでの毒殺を楽しむためにも、今回頂いた栄誉を、世界の平和のために少しでも役立てたいと思います」とユーモアを交えて思いを語ったという。
王谷さんは1981年東京都生まれ。ライターなどを経て作家デビューした。著書に「完璧じゃない、あたしたち」などがある。【松原由佳】
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