「先行き見えず」 石川県、今も仮設暮らし約2万人 能登地震1年半

2025/07/01 17:40 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 2024年の元日に発生した能登半島地震から、1日で1年半となった。災害関連死は今も増え続けており、建物の倒壊などによる直接死を含めると死者は石川と新潟、富山の3県で計618人に上る。

 今回の地震では、石川県内で11万6282棟の住宅に被害が生じた。住めなくなったため、公費を使って解体される予定の建物は3万8900棟。うち8割に当たる3万1041棟で解体を終えた。

 それでも、被災者の生活再建は道半ばだ。県内の地震の被災者9390世帯、1万9681人が仮設住宅で暮らしている。自治体は、被災者向けの災害公営住宅を3000戸程度整備する計画だが、着工できるのは一部で早くても今夏という。

 自宅が全壊し仮設住宅で暮らす輪島市町野地区の瀬野千草さん(81)は「いつまでこの生活が続くのか先行きが見えない」と話す。

 一方、復興への歩みも見られた。町野地区では、7日に臨時災害放送局(災害FM)の「まちのラジオ」が開局し、住民有志らが生活情報などを発信する。1日は地区内に設置されたスタジオで住民らが試験放送をした。【島袋太輔】

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報