「実現しないと結婚できない」 事実婚当事者、衆院法務委で陳述
「自分が嫌だと思うことを妻にさせるのは、違うと思いました」。選択的夫婦別姓を導入する法案を審議している衆院法務委員会で17日、参考人5人を招いての質疑があった。このうち、事実婚当事者である香川県宇多津町の会社員、割田(わりた)伊織さん(30)は、結婚を意識するようになった時に「自分の名字も絶対に変えたくない」と確信した心境を語った。
割田さんは5月に団体職員、武井七海さん(29)と結婚式を挙げた。2023年から一緒に暮らし始め、姓が話題に上ることも増えた。武井さんから「名字を変えたくない」と言われた時、「僕が変えてもいいよ」とは答えられなかった。
子どもの頃から結婚時に改姓した男性が身近におり、自分の姓にこだわりはないと思っていた。しかし、結婚を控え、姓は自分を自分たらしめる大事な部分だと強く思うようになり、しばらく結婚の話を避けるようになってしまった。
ある日、武井さんから「どっちの名字にするか、じゃんけんで決める?」と問われ、心のどこかで、「相手が改姓してくれるかも」と期待していたことに気づいた。
2人で話し合い、結婚はいったん保留にした。そんな時、選択的夫婦別姓制度を巡るニュースを見て、「これは自分たちの問題だ」と受け止めた。2人で「制度が実現したら婚姻届を出そう。それまでは事実婚で」と決めた。代わりに、財産分配などについて夫婦の契約書として「公正証書」を作った。
当初は法律婚と同じような効果があると思っていたが、作成してみると、「2人だけの約束」に過ぎない現実を突きつけられた。会社の慶弔休暇は取得できず、自治体の新婚世帯向け補助も受けられなかった。万が一の時に病院では夫婦として扱われないことがあると聞き、不安が募るようになった。
4月に選択的夫婦別姓制度実現を目指す一般社団法人「あすには」が発表した「事実婚当事者の意識調査」には勇気づけられた。自分たちと同じように法制化されたら婚姻届を出すという「結婚待機人数」が全国で推計58万7000人に上ることを知り、自分たちの考えが特殊ではないと分かったからだ。
ただ調査では、「子どもを持つことにちゅうちょがある」という回答が多かったことが気になった。武井さんも迷っていたからだ。「事実婚だと、何かあった時に子どもを守ってあげられるのか」と感じ、子どもの話を避けていたのだという。事実婚の状態が、家族の将来を考えることへのハードルになっていた。
割田さんは意見陳述の最後で「氏名は私自身を表す唯一のものです。妻も同じように氏名を大切にしています。選択的夫婦別姓が実現しなければ、私たちは結婚できないのです」と訴えた。【佐々木雅彦】
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