ファン乗せてラストラン いすみ鉄道「キハ52」引退記念イベント

2025/06/15 15:55 

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 房総半島中部のローカル線「いすみ鉄道」(本社・千葉県大多喜町)は、人気車両「キハ52-125」の営業運転を終了した。15日には引退記念イベントがあり、駆けつけたファンを乗せて大多喜駅の構内を惜しまれながら走行した。

 引退車両は1965年製。2010年にJR西日本の大糸線での営業から引退した後、いすみ鉄道に譲渡され、翌年から観光列車として活躍してきた。

 DMH17Hという国鉄気動車向けのエンジンを2基搭載し、レトロな外観だけでなく、懐かしい走行音も愛されてきた。

 いすみ鉄道は24年10月の脱線事故以降、全線で運休している。そのさなかにキハ52が大規模な検査を受ける時期を迎えた。老朽化や、交換部品の調達が難しいこと、検査費用が高額となることなどから引退が決まった。

 イベントは全3回行われ、15日が最終日。朝から雨が降る中多くの人が訪れ、写真を撮るなどして別れを惜しんだ。古竹孝一社長は「(キハ52は)地域に似合う車両。どう活用するか考えたい」と語り、運休が続く鉄道については「まだ求めてくれる方がいるのはありがたい。早く復旧したい」と話した。【渡部直樹】

毎日新聞

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