不適切保育のこども園の元職員らが実態解明へ陳情 園側は不採択要望

2025/06/12 20:02 

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 栃木市都賀町の私立認定こども園「都賀幼稚園」の元職員らの団体が園での不適切保育の実態解明のため、第三者委員会設置への支援を求めた陳情を巡り、園側が「園や市の主体性を全く認めない要求」などとして不採択を求める要望書を代理人名で市議会に提出していたことが12日、同市議会で明らかになった。

 大浦兼政議員が一般質問で触れた。文書は鈴木俊美弁護士名で、5日付。それによると、「園長が園児の顔を踏んだ」など元職員が実名で告発した事案について「ある光景をいじめなどにすり替えた可能性が高い」などと否定し、「市も認定していない」と主張した。園が拒否した場合の市による第三者委員会設置についても「市には権限がなく、市民への人権侵害行為になる」と警告した。

 市は告発された事案について調査を進めているが、園内でアンケート方式で確認した際、副園長が同席していたことが職員からの通報で判明。再調査は拒否され、「正確な判断は難しい」と事実認定が難航していることを認めている。

 首長正博子ども未来部長は「(要望書は)園を擁護する弁護士としての立場を強調した」との認識を示し、「現職員から直接話を聞くなどして、早急に確認を進めたい」と述べた。【太田穣】

毎日新聞

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