筑波大、人文系のカリキュラムも変更へ 国の審議会答申を反映か

2025/06/07 11:03 

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 筑波大が、2029年度に統合・再編する方針を示している人文・文化学群(学部)について、教育課程(カリキュラム)も変更する方針であることが関係者への取材で分かった。少子化を理由に大学などの高等教育の統合・再編を進めるとした国の中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の2月の答申にも、カリキュラムに関する同様の記載があり、答申を色濃く反映したものと言えそうだ。

 筑波大は、人文・文化学群の下にある人文▽比較文化▽日本語・日本文化――の3学類(学科)を29年4月に統合し、同学群を新たに「人文学専門学群」に改組する方針を、学内の関係者に示している。

 毎日新聞が入手した内部文書によると、新たな専門学群では、現行の4(学群)+2(修士)+3(博士)年制のカリキュラムも見直す。学群4年間のうちの後半2年間を、修士の2年間と連携させた教育を行う2+4+3年制とするほか、入学4年で修士の授業を受け始める「4+1プログラム」も導入する。

 理由について、学群と大学院の連携強化を挙げ「大学院進学を見据えた専門教育を行い、大学院進学への動機づけを高める」などとしている。

 このうち「4+1プログラム」については、2月の中教審の答申に「学士・修士5年一貫教育の大幅拡充(特に人文・社会科学系等)」という同様の記載がある。この答申案を作った分科会の会長は、筑波大の永田恭介学長が務めており、答申の内容を反映させた可能性がある。

 複数の関係者によると、こうしたカリキュラムの変更案についても、大学の上層部から伝えられており、現場の教員の審議は経ていないという。関係者は「非常に重要な変更が上意下達で決められている。現場の声を聞くべきだ」と批判する。

 筑波大広報局は取材に「どのレベルの情報か真偽が確認できない」と文書で回答している。【酒造唯】

毎日新聞

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