「家族や兄弟連れ戻して」 北朝鮮拉致被害者家族、政府に行動求める

2025/05/24 20:29 

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 北朝鮮による拉致被害者の早期帰国を求める「国民大集会」が24日、東京都千代田区で開かれた。横田めぐみさん(行方不明時13歳)の弟で、家族会代表の拓也さん(56)は「私たちの家族や兄弟を一刻も早く日本に連れ戻し、再会できるように行動してほしい。そのためには日朝首脳会談を実現するしかない」と政府に求めた。

 家族会や支援団体などの主催で、約800人が参加。冒頭、2月に96歳で亡くなった、有本恵子さん(行方不明時23歳)の父明弘さんに黙とうをささげた。

 政府が認定した未帰国の拉致被害者の親で存命なのはめぐみさんの母早紀江さん(89)だけとなっており、拓也さんは「本当に残された時間がないということを日本政府、北朝鮮当局は理解してほしい」と述べ、全拉致被害者の即時一括帰国の実現を改めて求めた。また金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記に対して「あなたの前の代で行われた負の遺産をあなたの代で解決してほしい」と訴えた。

 早紀江さんも出席し、「(めぐみさんが拉致されてから)47年間も頑張っても何もわからない。どうしたらいいのか」と嘆き、「『めぐみちゃん、よく帰ってきたね』とはっきりと言えるまでは本当に頑張っていきたい」と話した。

 集会には石破茂首相も出席。「何としても突破口を開くべく、首脳同士で率直に話し合い、正面から向き合わねばならない。北朝鮮に対してこれまで行ってきたさまざまなルートでの働きかけを一層強めていく」と強調した。また「時間的な制約がある中で、米国をはじめとする国際社会に対し一層の協力と理解を求めるべく、政府として有効な手立てを講じていく」と述べた。【木下翔太郎】

毎日新聞

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