広島・平和記念式典 196カ国・地域に案内送付 招待から通知に

2025/05/23 19:57 

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 広島市は23日、8月6日に開く平和記念式典について、196カ国・地域と欧州連合(EU)に開催の案内を送付したと発表した。市は今年から、各国政府代表を「招待」する従来の方法から「通知」する形に変更する方針を示していた。日本と正式な外交関係がなく、当初は対象外としていた台湾も、「式典の趣旨を踏まえて送るべきだ」と判断し、台湾側に出席の意向を確認した上で送付した。

 案内文は23日付で、各国の在日大使館や国連代表部などに送った。「式典への参列を通じて『ヒロシマの心』を深く理解し、核兵器をなくすこと以外に根本的な解決を見いだせないことを強く認識してもらうことが重要と考える」という従来の招待状にはなかった文言を盛り込んでいる。市の担当者は「案内文を読んだ上で(参列を)主体的に判断してもらいたい」としている。

 市はこれまで、原則として日本に大使館がある全ての国の駐日大使らに招待状を送付。2024年は166カ国とEUだった。今年はウクライナ侵攻で22年以降、招待を見送っていたロシアや、日本政府が国家として承認していないことを理由に招待していなかったパレスチナにも送った。

 このほか、昨年は会場となる平和記念公園全体で入場規制をしたため、高齢の参列者らの入場に時間がかかったことを受けて、入場開始を30分早めて式典開始2時間前の午前6時にすることや、被爆者や高齢者などの優先入場口を新設することも明らかにした。【武市智菜実】

毎日新聞

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