津波避難呼びかけ、ドローンで 防災無線届きにくいサーファーらに

2025/05/22 14:22 

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 サーフィンが盛んな千葉県一宮町で、ドローンを活用して津波からサーファーや観光客らの避難を誘導する津波避難広報システムの運用が始まった。スピーカーとカメラを搭載したドローンが上空から現場の状況を確認し、避難を呼びかける。

 町が約4000万円をかけて町役場と東浪見小学校にドローン2基を配備。ドローンの遠隔制御などを手がける企業、ブルーイノベーション(東京都)の技術を活用した。

 ドローンは全国瞬時警報システム(Jアラート)の津波警報などと連動して自動で発進する。約7・5キロの海岸線を飛行し、自動音声で「ただちに高台に避難せよ」などと伝え、15~20分で帰還し充電する。

 一宮町は、2021年の東京五輪サーフィン競技会場となり、年約70万人のサーファーが集い、観光客なども年間を通じて訪れる。巨大地震に伴い「最大10・2メートルの津波が33分で到達する」と想定しているが、防災行政無線では情報が届きにくかった。また、東日本大震災では東北地方で避難誘導中の自治体職員や消防団員らが犠牲になり、人手に頼らない無人防災が課題になっていた。

 馬淵昌也町長は「情報提供の大きな一歩。海辺の安心感を高められる」と期待した。【高橋秀郎】

毎日新聞

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