学級通信に小テスト案…横須賀市が学校現場でAI活用 過重労働減に

2025/05/21 13:00 

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 神奈川県の横須賀市教育委員会は2025年度から、生成AI(人工知能)による文書作成や答案用紙の採点を始めた。民間事業者が開発したサービスを利用する。学校現場の文書を生成AIで作成するのは県内初めてで、全国的にも珍しい。採点は藤沢、秦野、海老名の3市に次いで県内で4市目という。

 対象の文書は、学級通信▽学習指導案▽小テストの案▽通知表の所見▽授業参観の案内文――など学校で作成する文書一般。作成の手順を示したひな型を現場の端末で使えるようにし、生成AIになじみがない教職員も利用しやすいよう配慮したという。

 テストの答案はスキャナーで取り込み、数式、英単語、記号を自動採点する。採点後は表計算ソフトでさまざまなデータを出力し、生徒の理解度を把握できるという。記述式の回答は従来通り教員が判断し採点する。

 教員の過重労働が社会問題になる中、市教委は24年度、国の補助制度を活用して小中学校で生成AIの試験運用を実施していた。文書作成の業務は約48%(年間1人当たり約24時間)減、答案の採点は約65%(年間1人当たり約40時間)減と大きな効果があったことから、25年度の本格運用に踏み切った。

 市教委によると、利用した教員からは「非常に使い勝手が良く、業務を効率化した時間を別の業務に振り向けることができた」といった感想が寄せられているという。【福沢光一】

毎日新聞

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