汚れがついたままの食器、毛髪混入… 大阪・市立小の給食で何が

2025/05/21 07:15 

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 大阪市東住吉区の市立小学校の給食で今年4月以降、食器の洗浄が不十分だったり、毛髪が混入したりする不適切な事案が相次いでいることがわかった。横山英幸市長は20日の大阪市議会教育こども委員会で「重く受け止め、深くおわび申し上げたい」と陳謝した。

 自民系会派の渕上浩美委員の質問に答弁した。渕上氏や同市教委によると、この小学校では4月から給食を調理する委託業者が変わり、それから不適切な事案が相次いだ。

 給食試食会が行われた4月3日には、校長が「米がきちんと炊けていない。豚肉も油くさく感じる。本校教員は誰1人完食できなかった」などと市教委に指摘し、翌4日に米の炊き方について指導が行われた。同11日には、ご飯粒や汚れがついたままの食器が複数確認されたため、校長の判断で牛乳やパンなどを除くおかずの提供を中止した。

 市教委はトラブルが相次いだのを受け、同月下旬に給食の調理立ち会いを実施。その間も、ご飯を入れる食缶の中に髪の毛が入っていたり、手袋が破れたまま調理を続けている調理員が見つかったりした。その後も、ゴミ箱を触った手でピザを調理する姿を教員が発見してピザを廃棄したり、中華スープの食缶に毛髪の混入が見つかったりするなどの事案が続いた。

 同校は5月16日に保護者説明会を開催。保護者からは、弁当の持参や調理室へのカメラ設置を求める声が上がった。校長は同19日から弁当の持参を認め、400人超の全校児童のうち、19日は35人、20日は57人の児童が実際に弁当を持参したという。

 この日の委員会では、渕上氏が業務委託契約の早期解除を求めた。これに対し、市教委の多田勝哉教育長は「当該校の児童らに健康被害などは今のところ発生していない状況で、慎重に判断する必要がある」と答弁。一方で「契約上のさまざまな選択肢の実現可能性を含め検討を進めていきたい」とも述べた。

 横山市長は委員会終了後、報道陣の取材に「契約内容を守れないような事態や損害を発生させるような事態になった場合は契約を続けられない。一方で、リーガルチェック(法的な確認)をしなくてはいけない。慎重かつ適切に判断していきたい」と語った。【高良駿輔】

毎日新聞

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