同僚から「突然キス」訴えた女性市議 時効で被害届受理されず

2025/04/28 18:33 

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 愛知県豊明市の堀内千帆市議(54)は、男性市議からほおにキスをされるセクハラ被害を受けたと訴えている。男性市議は毎日新聞の取材に対し、「当時の記憶がない」などとしている。

 堀内市議によると、2019年10月、長野県の飲食店で市議会常任委員会のメンバー7人との夕食中、男性市議にドリンクの注文を聞こうとした際に突然、左ほおにキスをされた。

 堀内市議が「何をするんですか」と抗議をすると、男性市議は「君の赤いほっぺを見たらリンゴを思い出してね。キスしたくなっちゃったんだよ」と言ったという。

 メンバーの一人は「テーブルが離れていて自分はその場を目撃していないが、堀内市議が『キスされた』と主張し、騒ぎになった。男性市議は酔っており、他の議員は『まあ、まあ』といさめるような感じだった」と話す。

 堀内市議は28日、県警愛知署に被害届を出したが、受理されなかった。理由について愛知署は、▽愛知県迷惑行為防止条例に抵触する可能性があるものの、公訴時効(5年)が成立している▽暴行、脅迫の行為がないため、強制わいせつ罪には問えない――との見解を示したという。

 堀内市議は3月25日、市議会本会議で市のハラスメント防止条例案の採決に向けた討論の際、賛成の意見を述べる中で、セクハラ被害を訴えた。

 別の市議4人や東海地方の女性議員らでつくる団体「女性を議会に!ネットワーク」は、市議会議長に事実関係の調査などを求める申し入れ書を提出。議長らが調査している。

 男性市議は毎日新聞の取材に対し、「当時の記憶がない。覚えていればとっくにおわびしている。お酒は飲んでいたと思うが、彼女(堀内市議)が主張するようなことはあり得ないと思う」としている。

 堀内市議は2期目で、「1期目の時は言いたくても言えなかった。被害届が受理されなかったことは残念だが、男性市議は自分のした行為を認めてほしい」としている。【式守克史】

毎日新聞

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