備蓄米納入で違約金の業者、転売否定 「農家に断られた」釈明

2025/04/01 22:10 

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 政府が実施した2024年産の備蓄米の買い入れで、規定の数量を倉庫に納入しなかったとして農林水産省に違約金の支払いを求められた7事業者のうち、青森県弘前市の事業者が1日、記者会見した。納入しなかった理由について「契約した農家から売り渡しを断られた」と説明し、転売を否定した。

 会見したのは、集荷業者の「町田アンド町田商会」。

 備蓄米は事前に入札で買い入れ価格と数量を決めている。

 同社によると、昨年2月、60キロ当たり1万3000~1万4000円で落札。地元4市町の約100人の農家と備蓄米を買い取る契約を結び、政府に納入する予定だった。

 ところが、その後「令和の米騒動」が起き、秋口にはコメの市場価格が60キロ当たり2万5000円前後に高騰。備蓄米より1万円ほど高い価格での取引を農家に直接持ちかける業者もおり、契約した農家の約3割が備蓄米を売り渡さなかったため、政府に納入する予定の約半分の備蓄米を集められなかったという。同社の建部礼仁会長は「一部で報道されたように、転売したという事実はない」と述べた。

 24年産の備蓄米は農水省が計7回の入札を実施し、約17万2000トンを買い入れる予定だった。違反した7事業者は3月26日付で3カ月の入札資格停止となった。【足立旬子】

毎日新聞

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