千葉県立高で女子生徒が自殺 第三者委、教諭の不適切指導認める

2025/01/22 20:32 

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 千葉県教育委員会は22日、教員の指導について繰り返し改善を求めていた県立高校2年の女子生徒が2023年10月に自殺していたことを明らかにした。合わせて「SOSのサインをすべて見逃した」などと、学校側の対応に問題があったとする第三者調査委員会による調査結果を公表し、冨塚昌子教育長らが謝罪した。

 調査結果などによると、英語に苦手意識があった女子生徒は同年5月、学校側が実施したアンケートで30代の男性英語教諭の授業に出たくないなどと記していた。その約2カ月後にあった別の無記名のアンケートでも、この教諭から暗記課題を巡って「こんなの覚えられないやつは中学生以下だ」と言われたことなどを記していたとみられる。

 同年9月に国語の自習で出された作文でも「英語の授業が原因で精神がおかしくなる、死んでやろうかと思った」などと書いていた。

 女子生徒は同年10月中旬、英語の授業を欠席したことを受けて、担任教諭から「今の状態なら何もしてあげられない」などと叱責された。翌日に学校を休み、次の日に自殺した。

 英語教諭は生徒を立たせて答えるまで座らせないことがあったといい、他の生徒からも人格を否定するような言動を受けたとの声が上がっていたという。女子生徒が記した5月のアンケート内容は校長らに報告されず、7月の内容も校長らは確認しなかった可能性がある。作文も国語教諭に読まれなかった。

 第三者委は校長ら管理職に「責任感の欠如があった」と指摘。関係する複数の教諭も「不適切な指導に終始した」と結論づけた。

 県教委の記者会見で冨塚教育長が「亡くなられた生徒、ご家族、友人をはじめ、多くの方々に深くおわび申し上げる」と陳謝した。適切な指導や対応を取らなかったなどとして、生徒の担任を減給10分の1(3カ月)、英語教諭を同10分の1(1カ月)の懲戒処分とした。監督責任を問い、当時の校長と教頭も減給の懲戒処分とした。【中村聡也】

 ◇相談窓口

・24時間子供SOSダイヤル

 いじめやその他の悩みについて、子どもや保護者などからの相談を受け付けています。原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります。

 0120・0・78310=年中無休、24時間。

・子どもの人権110番

 「いじめに遭っている」「家の人に嫌なことをされる」など、先生や親には話しにくい相談に法務局の職員や人権擁護委員が応じます。

 0120・007・110=平日の午前8時半~午後5時15分

・まもろうよ こころ(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/sns/)

 さまざまな悩みについて、LINEやチャットで相談を受けている団体を紹介する厚生労働省のサイトです。年齢や性別を問わず、自分に合った団体を探せます。

・こころの悩みSOS(https://mainichi.jp/shakai/sos/)

 悩みを抱えた当事者や支援者への情報のほか、相談機関を紹介した毎日新聞の特設ページです。

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