「ブルーカーボンの名付け親」ドゥアルテ氏ら2氏に日本国際賞
国際科学技術財団は22日、優れた科学者をたたえる今年の日本国際賞を、海洋生態系が吸収する炭素を「ブルーカーボン」と名付けて研究し、地球温暖化対策などに貢献したサウジアラビア・アブドラ王立科学技術大のカルロス・ドゥアルテ特別教授(64)と、半導体の材料を量産する技術の開発に貢献した米ジョージア工科大のラッセル・デュプイ教授(77)に贈ると発表した。
ドゥアルテ氏は、マングローブや海草によって構成される「沿岸植生域」がブルーカーボンの最大の貯蔵庫であることを発見。全海域の0・5%に満たない沿岸植生域の海底に、全海域の年間堆積(たいせき)量の約50%が堆積し、1000年以上にわたって貯留されることを明らかにした。埋め立てや開発などで破壊された沿岸植生域の保全と再生に向けた活動にも尽力している。
デュプイ氏は、半導体の作製に有機金属ガスを用いる手法を開発。さまざまな元素を組み合わせた化合物半導体の量産化と商用化に結びついた。技術は発光ダイオード(LED)や半導体レーザー、太陽電池などに使われている。
授賞式は4月16日に東京都内である。同賞は毎年、二つの授賞対象分野を指定しており、今回は「生物生産、生態・環境」「物質・材料、生産」が対象となった。【中村好見】
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