皇居で歌会始の儀 2025年の題は「夢」 愛子さまは初参加

2025/01/22 12:57 

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 新年恒例の歌会始の儀が22日、皇居・宮殿「松の間」であり、天皇、皇后両陛下や皇族方が出席された。今年の題は「夢」で、両陛下や皇族方の歌が、一般の入選者らの歌とともに伝統的な発声と節回しで披露された。両陛下の長女愛子さまは初めて参加した。

 天皇陛下は昨年、公務や災害の見舞いで各地を訪れ、触れ合った子どもたちが将来の夢を生き生きと話す様子をうれしく思って詠んだ。

 皇后雅子さまは英国を昨年訪問した。かつて留学したオックスフォード大にも足を運んで感慨深く思うとともに、若き日の志を思い起こした気持ちを歌に込めた。

 秋篠宮さまは幼少時の正月、「宝船」の絵を枕の下に入れて眠っていたことを思い浮かべたが、何の夢を見たかは記憶が曖昧であることを歌にした。

 秋篠宮妃紀子さまは昨年12月にトルコを訪問する前、現地の人々が受け継ぐ手工芸の「オヤ」を習い、帰国後もオヤの作品を編んでいることを詠んだ。

 愛子さまは昨年3月にあった大学の卒業式で、自身や友人が新たな道を歩んでいくことをしみじみと感じ、友人との日々や将来に思いをはせ、再会できることを楽しみにする気持ちを歌にした。

 秋篠宮ご夫妻の次女佳子さまは、幼少時から絵を描いたり、工作や手芸でさまざまなものを作ったりするのが好きだった。時間を忘れて絵を描いていた頃を懐かしむ歌を詠んだ。

 常陸宮妃華子さまは夢できぬ擦れの音のみが聞こえ、即位の儀式が始まって、静かな中にも緊張の瞬間が感じられたことを歌にした。

 高円宮妃久子さまは2023年に長女承子さまとヨルダンのパレスチナ難民キャンプを訪ねた。将来の夢を語っていた若者らの現在に思いをはせた。

 承子さまは久子さまの絵本「夢の国のちびっこバク」の主人公のバックンが怖い夢を食べてくれることを連想し、大きくなったであろうバックンを詠んだ。

【高島博之】

毎日新聞

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