「いなくなるの寂しい」夫の遺体と自宅で2カ月過ごした女 両親の異変に気づけず…法廷で娘が語…

2026/09/07 09:05 

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 女は「寂しさ」を理由に、亡くなった夫の遺体を2カ月近く自宅に置き続けた。発覚のきっかけは、父親を心配した娘たちの訪問だった。離れて暮らしていたものの、良好だったという親子関係。なぜ女は夫の死を一人で抱え込んだのか。なぜ子どもたちは異変に気づかなかったのか。法廷で娘が語った後悔とはー。
 女(72)は3月21日ごろ、藤枝市内の自宅で、同居していた70代の夫が死亡しているのを確認したにもかかわらず、5月15日ごろまで放置した死体遺棄の罪に問われた。7月23日に静岡地裁で開かれた初公判で、女は起訴内容を認めた。
 冒頭陳述などによると、夫は2月ごろ、自宅で転倒して立ち上がれなくなった。寝たきり状態になったが、「大の病院嫌い」で医療機関は受診せず、女が一人で介護を続けた。3月21日、おむつを取り換えようとした際に反応がなく、死亡したことに気づいたが、そのまま放置した。
 女は5月10日、孫の誕生日会に参加した。その際に、娘たちが父親の所在を尋ねると、女は「体調が悪く、家で寝ている」と説明した。不審に思った娘たちが同月15日に実家を訪問し、布団の上で亡くなっている父親を見つけた。
 夫の死に気づきながら、なぜ誰にも知らせず、2カ月近くにわたって遺体と暮らし続けたのか。被告人質問では、女が当時抱えていた思いが語られた。
弁護人「死亡を届け出なかったのはなぜか」
被告「いなくなってしまうことが、寂しくなってしまった」
弁護人「娘に相談できなかったのか」
被告「できなくはないが、心配をかけたくなかった」
弁護人「もし見つからなかったら、どうするつもりだったのか」
被告「そのままにはできない。連絡しないといけないという気持ちはあった」
弁護人「保釈されて自宅に戻っているが、思い出すことはないか」
被告「思い出さないということはない」
弁護人「思い出したときはどうするのか」
被告「娘に助けてもらう。自分の気持ちを素直に伝えて、寂しくならないように話をしていきたい」
 女は、今後は一人で抱え込まないことを誓った。
 一方、裁判官は死後に放置された夫や、父親の死を知らなかった娘たちの立場にも思いを巡らすよう促した。
裁判官「埋葬されず、死体が腐敗するまで置かれていた。ご主人の気持ちを考えたことはあるか」
被告「つらかったと思う」
裁判官「心配をかけたくなかった娘たちに、もっと大きな心配をかけている」
被告「本当に申し訳ない」
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