磐田市・見付天神「裸祭」記録、最古の史料発見 江戸中期の国学者・杉浦国頭が奉納、文書写し …

2026/05/19 11:30 

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 磐田市見付の矢奈比売神社(見付天神)で、江戸中期の国学者で歌人の杉浦国頭(くにあきら)が自作の和歌などをまとめ、同神社に奉納した文書の写しが見つかった。1739年の奉納直後に写されたとみられる。国指定重要無形民俗文化財「見付天神裸祭」の当時の様子にも触れていて、裸祭の内容が記録された現存史料として最古となる。
 同神社や淡海国玉神社など見付地区3社の歴史を後世に伝える社誌刊行に向け、氏子や神職でつくる調査・編集委員会が書庫などに保管されていた文書約60点を整理する中で発見した。明治維新の動乱の中で江戸時代以前の文書は失われたとされていたという。
 浜松諏訪神社の大祝を務めた国頭は賀茂真淵らと歌会を開き、万葉集などの古典研究、和歌集の作成に取り組み、「遠江国学の祖」と言われる。国頭の文書は1739年に矢奈比売神社の神主が同門の斎藤信幸に交代したことに合わせて奉納したとみられる。国頭は数多くの和歌を残しているが、文書には未確認の50首が記載されている。神主を継いだばかりの信幸に請われて裸祭を手伝った際の記述もあった。海岸で祭り参加者が身を清める「浜垢離(はまごり)」など現在も行われている祭りの神事に似た内容を記していた。
 発祥時期が不明で千年以上続くとも言われる裸祭が記録された現存史料はこれまで、1803年の「遠江古蹟図絵」が最古とされてきた。静岡県立農林環境専門職大客員教授で調査・編集委員長を務める中山正典さん(68)は「国学が確立されていない中で国頭は神祭りの本質に触れている。今後の歴史研究にとって貴重な史料になる」と説明する。
 普段は立ち入れない本殿でも、屋根の修復に合わせて調査を実施した。信幸が1748年に前年の本殿修復などを記録した棟札や、1649年の本殿建造時に大工が化粧棟木に記した墨書も見つかった。
 委員会はこうした成果を発信しようと、今月16日午後1時半から公開講座を同神社つつじ館で開く。国頭の文書や棟札を初公開する。中山さんや地域史研究者の坪井俊三さんが講師を務める。聴講無料。
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