林業担い手のストレス負荷に科学の目 疲労把握し「労災防止を」 静岡県の研究機関、浜松医大の…

2026/04/22 09:17 

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 静岡県森林・林業研究センター(浜松市浜名区)が浜松医科大(同市中央区)の協力を受け、労働災害の発生率が高い林業現場で作業する人のストレス状況を、科学的にモニタリング(観測)した。血液や唾液などのほか、スマートウオッチといった機器も利用し、客観的な指標を示した。林業の安全調査を環境側ではなく人間を対象に実施するのは珍しいという。同センターは「作業者の疲労を把握して注意力を技術で補完することで、労災発生のリスクを低減できる可能性がある」と指摘する。
 同センター森林資源利用科の山口亮科長らは、ストレスを測定する六つの指標からモニタリングが可能と判断した。作業前後で有意な差が示され、疲れ具合を作業者が最大10センチの線を引いて表す「主観的疲労度」(VAS)は、18人の平均で作業前の1・37センチだったのが、作業後は6・18センチに伸びた。
 血液中の酸化(d―ROMs)や抗酸化力(BAP)を示す「血清中ストレスマーカー」も変化があった。作業後は酸化具合が上昇するものの、抗酸化力も上昇した。このほか、唾液や脈拍数、米ガーミン製のスマートウオッチでエネルギーの残量を数値化した「ボディーバッテリー」などでも作業前後でストレスによる変化を確かめた。
 また、16人の平均脈拍数が作業前で高めの数値である86・8を示すなど、本格的な作業に入る前からストレスが高いという特徴も確認。山口科長は「林業従事者は高いストレスをアスリート並みの高い回復力で補っていることが分かった。疲労の蓄積からは、判断力の低下も懸念される」と推定した。
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