娘と”育ての母”は法的に「他人」… 同性カップルの子育て、公的調査では”透明な存在”に 子…

2026/02/06 06:00 

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 衆院選の争点の一つ、同性婚の法制化。共同通信の世論調査では回答者の6割超が賛成し、高裁で同性間の婚姻を認めないことは「違憲」との判断が相次ぐなど社会の理解が進む一方で、国会での法制化の歩みは鈍い。そんな中、同性カップルの子育て現場では、養育者の片方が戸籍上「他人」とされるため、子どもの生活基盤を法的に保障できないリスクが表面化している。
 浜松市出身でゲイを公表する金谷勇歩さん(47)は現在、神奈川県に暮らしながら月に一度、7歳になる血のつながった娘と過ごす時間を大切にしている。娘は現在、実母と、その女性パートナーの下で暮らす。
 約10年前、知人の紹介で「子が欲しい」と考えていた女性同士のカップルと出会い、互いの希望やリスクを1年半にわたって議論を重ねた末、金谷さんが精子提供する形で誕生した。
 金谷さんは万が一に備え、後見人を指定する公正証書を作成するなど、血縁上の親として最大限、「養育環境」を整えてきた。だが、日常の育児に携わる女性パートナーは法的に娘と「他人」のまま。行政手続きや医療機関での同意を拒まれる可能性が常にある。
 娘の養育に、金谷さんのパートナーや浜松の両親も協力的だ。周囲に救われながらも、金谷さんは「養育環境を整えるためにも、同性婚は必要だ」と訴える。
 こうした家族の形は、従来の法制度では「想定外」として扱われてきた。精子提供や片方の実子を一緒に育てるケースなど経緯は多様だが、国勢調査ではパートナーは「他の親族」として集計され、同性カップルの実態が国の調査に反映されない状態が続いている。
 違憲判決の名古屋高裁では、判決理由で親権のない者の同意による医療行為の可否が「医療機関の個別判断に委ねられる」点に言及し、不利益が生じるリスクを指摘した。原告弁護団の水谷陽子弁護士は「公の調査がなかったがゆえに、その存在は不可視化されてきた。実際はより多くの家族が、この社会で暮らしている」と指摘する。
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