早朝の幼稚園にサルが現れることも… 熱海市泉地区で野生動物の出没増加 住民は対策に苦慮

2025/10/11 08:35 

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 熱海市の泉地区で、サルなどの野生動物の出没が目立っている。山あいにある同地区では、以前からサルのほかにイノシシやシカが目撃されていて、地域住民から「畑が荒らされる」などと不安の声が上がる。
 市によると、例年、同地区でのサルの目撃情報は1年に30件ほど。10〜11月にピークを迎えるという。しかし、今年は夏の出没が増加。4〜10月時点で、約40件の目撃情報が寄せられている。市はサルの被害を防止するため、17年前から近隣の神奈川県湯河原町などと協定を結んでいて、年に1度の会合で被害状況や対策を共有している。
 同地区の幼稚園では、子どものいない早朝などにサルが現れることが多いという。9日には、園児が育てたナスを食べられた。園の担当者は「収穫間際だった。少しかじって吐き出していた」と振り返り、「20年ほど前にもサルは見かけたが、近づくと逃げた。今のサルは逆に威嚇されるので、そっとしておくしかない」と頭を悩ませる。
 サルは仏壇の菓子や供え物をねらい、住宅内に入ることもある。9月末に侵入されたという武井きよみさん(95)は「家具をひっくり返されて、テレビが壊れた」と話した。川合輝美さん(77)は「網戸を破ったり、窓を開けたりする」と語り、対策に苦慮する。
 地区内の公園では、イノシシの子ども「うり坊」が2匹住み着いていたため、市が春ごろに駆除作業にあたった。市はホームページなどで「戸や窓は施錠して」「石を投げたりしないで」などと、野生動物への注意を呼びかけている。
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