「“89歳”の旧駅舎さよなら」JR用宗駅前で6日にイベント ステンドグラスの消灯式など

2025/09/06 08:53 

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 老朽化のため駅舎の建て替え作業が進んでいるJR東海道線用宗駅(静岡市駿河区)の駅前ロータリーで6日、旧駅舎との別れを惜しむ「用宗駅舎さよならの夜祭り」と題したイベントが開かれる。89年の歴史を刻んだ旧駅舎を多くの人の記憶にとどめてもらおうと地元住民でつくる「用宗を楽しくする会」が中心になって企画した。「長年親しまれた旧駅舎の最後の姿を多くの人に見てほしい」と呼びかけている。
 旧駅舎の屋根上に設置されたステンドグラスは、2011年の東日本大震災後に節電のため消灯していたが、駅舎の建て替え方針が決まった昨年10月以降、地元住民の声を踏まえて再点灯されてきた。イベントの最後には、取り壊される旧駅舎の特徴でもあるステンドグラスの消灯式を行う。
 また、当日は地元の長田南小児童を招いた旧駅舎の見学会を開くほか、櫓(やぐら)を囲んで盆踊りを実施。一般の人も旧駅長室の見学やフォトスポットでの撮影などを楽しめる。
 用宗駅は今月1日に改札機能を新駅舎に移していて、イベント終了後は旧駅舎の取り壊しが本格化するという。同会会員の島直也さんは「さびしさを感じる」と複雑な思いを語る一方、同会は旧駅舎をデジタル保存するための資金を募るクラウドファンディングもイベントに合わせて始める。協力者には旧駅舎の模型などの記念品を贈呈する。
 デジタル保存のプロジェクトは地元住民有志や同市、JR東海などと連携し、最新の3D点群データ技術を使って旧駅舎の外観や駅舎内をデジタル空間で再現する。市交通政策課の亀谷浩司係長は「旧駅舎が取り壊されてもアーカイブで残り続ける」と意義を語る。
 旧駅舎の見学は午後5時から、夜祭りは午後6時15分開始。ステンドグラス消灯式は午後7時ごろから。問い合わせは島さん<電054(258)7000>へ。
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