【甲子園】審判始めて10年足らずで異例のスピード抜擢! 静岡・掛川から派遣の石山さん きっ…

2025/08/11 09:24 

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 5日に開幕した第107回全国高校野球選手権大会に、掛川市の会社員石山和彦さん(45)が審判員として派遣され、塁審を務める。少年野球をしていた息子の影響で審判を始め、実力と意欲が評価されて9年目という異例の早さで憧れの地に立つ機会を得た。「審判を務める保護者も情熱があれば甲子園を目指せる。選手の頑張りに寄り添えるようなジャッジをしたい」と気を引き締める。
 石山さんは小中学校では野球に打ち込んでいたが、小笠高ではサッカー部に所属し、野球からは遠ざかっていた。息子の少年野球で保護者として審判を務め、「やってみたら楽しかった。緊迫したゲームほどうれしく感じた」。県高野連に登録され、37歳で高校野球での審判デビューをすると、甲子園でのジャッジを目標として定めた。石山さんによると、一般的に甲子園に派遣されるのは15年以上の経験をもつ審判員がほとんどでハードルは高かったという。複数の講習会に参加し、学んだことを報告書にまとめて県高野連に提出するなどして知識や技術を高めてきた。
 本県からは2年ぶりとなる夏の甲子園への派遣に、自身が選ばれたとの連絡が入った。かつて甲子園を目指した2人の息子は、背中を見続けてきた父親の努力が実り、うれしそうな顔を浮かべたという。今春の選抜野球大会に出場した常葉大菊川高で野球部マネジャーを務めた3年で長女の麗さん(17)とは、グラウンドから見えた景色について話した。「甲子園はいいところだよ。応援に行くからね」と声をかけてもらった。
 石山さんが大切にするのは、判定の精度と身なりや立ち居振る舞い。両チーム、観客、他の審判から信頼を得るためには重要だといい、試合前日にはシャツやスラックスに必ず自分でアイロンをかける。石山さんは「この人なら任せられると思ってもらわなければならない」と語る。
 派遣が決まってからは、暑さに慣れようと屋外でのトレーニングを重ねる。「プレッシャーもあるが、職務を全うする」と思いを口にした。
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