ドライバー不足解消へ 交通ルールが同じインドネシア人材に注目 静岡県内企業がプロジェクトチ…

2025/05/11 08:15 

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 人手不足が深刻な運送業界で、ドライバーとして外国人材を登用しようと静岡県内の異業種がプロジェクトチームを結成した。中でも、交通ルールなどが日本と同じで慣れやすいとして、インドネシアに着目。日本での運転免許取得や企業とのマッチングだけでなく、生活支援に至るまで包括的な枠組み作りに取り組む。
特定技能制度に運送業追加  チームは、外国人労働者の受け入れに活動する行政書士の宇佐美陽子さん(浜松市中央区)をはじめ、同区の県セイブ自動車学校とLPガス販売のエネジン、運転免許の教本出版のエイト道交法出版(北海道)などで構成。昨年、特定技能制度の対象分野に自動車運送業が追加されたことを踏まえ、始動した。
 県セイブ自動車学校が、既にインドネシアの自動車学校と連携していて、希望生徒が日本式の運転ルールやマナーを学べる仕組みを整えた。今後、日本の運送業者の受け入れ要請があれば、特定技能評価試験や日本語能力試験、審査などを経て入国してもらう。新たに開発したインドネシア語の翻訳付き免許教本を活用して日本の自動車学校で免許を取得し、各企業への就職につなげる。日本での居住物件探しなども支える。
 昨夏に、県トラック協会(静岡市駿河区)で開かれた特定技能制度に関するセミナーで講師を務めた宇佐美さんは「外国人労働者の受け入れには、採用の基準を定めるとともに支援体制を確認しておくことが重要」と解説。県内の運送業経営者ら約50人にプロジェクトの意義を説明した。
現地の学校、日本式の訓練コース建設進む  両国は同じ左側通行で、右ハンドルの車両が主流。県セイブ自動車学校の早川智文常務は「国民の多くが信仰するイスラム教の戒律で飲酒が禁止されている。飲酒運転の心配もない」と話す。インドネシア国内でもプロジェクトへの関心は高く、提携先の自動車学校では日本式の訓練コース建設が進んでいる。
 チームの一員で、外国人材の紹介などを手がけるCBソリューションズ(東京)の仲沢大代表取締役は「安全性や信頼性など日本企業が安心して受け入れられるよう、チームのメンバーや企業のノウハウを生かしたい」と前向き。宇佐美さんも「日本とインドネシア双方にウィンウィンなロールモデルになれば」と見据える。
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