北極政策を初改定へ 政府、各国の開発競争に存在感示す狙い
高市早苗首相は29日、首相官邸で開かれた総合海洋政策本部で、政府が2015年度に策定した北極に関する基本政策を27年度に初めて改定する方針を示した。高市首相は「地政学的関心の高まりや、資源、航路の潜在性などを背景に重要性が高まっている」と述べた。
米地質調査所の調査によると、北極圏には世界全体の13%の石油や、30%の天然ガスなど、豊富な資源が眠っているとされる。地球温暖化に伴う海氷の減少などによる航路の開拓も進み、米国や中国、ロシアなど各国が権益争いを激化させている。
また、ロシアのウクライナ侵攻や、トランプ米大統領によるデンマーク自治領グリーンランド購入発言も緊迫度を高めている。政府はこうした国際情勢の変化を受け、北極圏における日本の存在感を示したい狙いもある。
また、海洋研究開発機構が26年度に運用を始める北極域研究船「みらいⅡ」を国際的な研究拠点とすることを改定で盛り込む。みらいⅡは、砕氷能力を持ち、先代の「みらい」では不可能だった北極点への航行も見据える。各国から研究を公募し、国内外の研究者が乗船できるように門戸を開く。
北極政策を巡っては、1996年に沿岸国を含む8カ国が国際協力のために「北極評議会」を設立。日本は13年からオブザーバーの資格が認められた。政府は15年に北極に関する基本政策を策定し、研究・観測や国際協力、航路開拓についての具体的な取り組みを盛り込んでいた。今後、有識者会議で改定の議論を始める。【木許はるみ】
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