政府、ロシアへ民間の経済訪問団派遣で調整 経済制裁は発動中

2026/05/08 19:48 

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 政府は民間企業による経済訪問団を5月下旬にロシアに派遣する調整に入った。5月26~27日をめどに訪露する予定で、すでに大手総合商社などに参加を要請している。ただ、ウクライナを侵攻したロシアには日米欧が経済制裁を科しており、国内外から批判が出る可能性がある。

 訪問団は、ロシア政府の高官らと経済課題について広く意見交換したい考え。侵攻前にロシア向けに製品を輸出していた日本企業との関係の再構築などにつなげる狙いがあるとみられる。

 ロシアへの経済訪問団の派遣を巡っては、木原稔官房長官は一部報道が出た後の4月3日の記者会見で「事実ではない。政府として対露制裁を実施しつつ、すでにロシアに進出している日本企業をサポートしていく」と述べるにとどめていた。日本は2022年2月に始まったウクライナ侵攻後、米国や欧州連合(EU)が主導した経済制裁に加わっており、政府内でも慎重な声があった模様だ。

 ただ、エネルギー自給率の低い日本の状況を鑑み、大手商社が参画するロシア極東での石油・天然ガス開発事業「サハリン2」は欧米の制裁の対象外とされるなど、日本にとってロシアは無視できない存在でもある。足元では中東情勢の緊迫化によるエネルギー価格の高騰も重なり、ロシア産エネルギーの調達維持・拡大を期待する声もある。

 ある商社関係者は「中東情勢による『追い風』で、政府も国民から訪露への理解を得られやすいタイミングとみている」と指摘する。

 一方、政府から訪問団への参加要請があった企業関係者からは「他社が行くなら、うちも行かざるを得ない」との声も出る一方、「政府のメンツを保つために行って、ロシア側から企業名が漏れれば、批判の的にさらされかねない」(別企業関係者)と動揺も広がっている。【杉山雄飛、古川宗、ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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