自民党の森山裕幹事長は２９日の党役員会で、参院選大敗を受け党内から要求がある両院議員総会について「ご意見を踏まえ、近日中に開催する」と表明した。同日の記者会見で明らかにした。石破茂首相（党総裁）は役員会後、記者団に総会開催に関し「ご説明は丁寧に、真摯（しんし）にしていくというほかはない。逃げずに説明するということに尽きる」と述べた。

　自民は２８日に参院選敗北に関して党所属国会議員から意見を聞く両院議員懇談会を開いたが、議決権のない非公式な会合に反発も広がっていた。旧安倍派、旧茂木派などの議員が党の意思決定機関である総会開催を求める署名活動を進め、懇談会でも開催要求が複数出た。当初は開催に慎重だった執行部側も、党内世論に配慮して開催方針に転じた。

　森山氏は会見で、党内で総会開催を求める意見があることについて「署名集めがされているのは承知している。その手続きを経なくても総会を開くのが対応として大事なことだ」と語った。

　署名活動のとりまとめを担う笹川博義副農相は２９日、署名が開催要件を満たす１２０人超集まったと明らかにした。笹川氏らは同日、有村治子両院議員総会長と党本部で会談し、総会の議題などについて意見交換。笹川氏は「参院選の総括と党の再生は全ての人の念頭にある」と語った。

　首相に批判的な議員は総会で辞任を迫りたい考えだが、総会では総裁の進退を議決することはできないとされる。党則では党所属国会議員と都道府県連の代表者の過半数が求めれば総裁選を前倒しすることができる「リコール規定」があり、党内ではリコールの署名活動も並行して行われている。【東久保逸夫、大野航太郎】