選挙ポスター規制後初の大型選挙 東京都議選、大きな混乱なく

2025/06/23 18:20 

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 選挙ポスターに品位を求める規定を新設した改正公職選挙法の施行後、初の大型選挙となった東京都議選。2024年の都知事選で選挙ポスターの掲示板に候補者と関係のない広告などが大量に張られたことが改正のきっかけとなった。都選挙管理委員会の担当者は「今回の都議選では、特に大きな混乱はなかった。今後も適切にポスターを使ってほしい」と話す。

 「ポスターの品位、保持に関して改正された公選法の趣旨も踏まえ、不正のない明るくきれいな選挙とするため、常識ある選挙戦をお願いしたい」。4月下旬、荒川区役所で開かれた都議選の立候補予定者説明会で、区選管の志村博司委員長が候補者に呼びかけた。改正公選法が3月に国会で可決・成立したための措置という。

 改正法では、ポスターへの、他人や他の政党の名誉を傷つけるなど品位を損なう内容の記載を禁止。特定商品を宣伝するなど営利目的に使用した場合には100万円以下の罰金を科すことなども盛り込まれた。

 改正のきっかけになった都知事選では、政治団体「NHKから国民を守る党」(当時)が、ポスター枠を事実上販売する計画を公表し、関連団体も含めて24人を擁立。営業広告や動物のイラストなどが張り出され、物議を醸した。都選管には告示から2日間だけでも1000件以上の問い合わせや苦情が殺到し、対応に追われたという。全裸に近い女性のポスターについて、都の迷惑防止条例違反にあたるとして警視庁が候補者本人に警告した事案もあった。

 今回の都議選で大きなトラブルはなかったが、候補者の一人は「表現の自由は尊重されなければならないが、品位に欠ける表現などで有権者を混乱させることがあってはならない。(改正公選法は)一定の成果があったのではないか」と振り返った。【遠藤龍、洪玟香】

毎日新聞

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