コメ増産見据えた農家の所得補償 来年6月までにあり方決定 政府

2025/06/05 21:23 

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 政府は5日、コメの価格高騰の要因やこれまでの対応について検証し、安定供給を実現するための関係閣僚会議の初会合を首相官邸で開いた。石破茂首相は事実上の「減反」であるコメの生産調整の見直しに意欲を示しているが、増産に踏み切った場合は価格下落が懸念されている。政府は来年6月までに、農家の所得補償のあり方などについて方針を決定する見通しだ。

 首相は会議で、「主食であるコメの供給に対する国民の不安が高まっている。持続的に安心いただける価格でコメを提供するとともに、安定的な供給を実現することが重要だ」と強調。小泉進次郎農相に対し、引き続きスピード感を持って対応することや、価格高騰の要因や対応の検証を行うことなどを指示した。

 終了後、小泉氏は記者団に、「意欲を持ってコメ作りをしたい人が価格の乱高下に脅かされることのないような支援策、セーフティーネット作りをどのようにできるかも大切なテーマだ」と述べた。

 首相や小泉氏のほか、林芳正官房長官、加藤勝信財務相らも出席。会議では、コメの価格が前年の約2倍に高騰している現状や、随意契約による政府備蓄米の売り渡し状況、年間生産量などについて説明があり、今後の対応を協議した。

 一方、公明党の斉藤鉄夫代表は5日、東京都内で備蓄米の販売状況を視察した後、改めてコメの生産調整は見直すべきだとの認識を示した。斉藤氏は「一定の余裕のある生産量でなくてはならない。生産量を上げるため、生産者や流通に関わる方々も含めてどのように合意をするか。そこに政治の役割がある」と語った。【安部志帆子、内田帆ノ佳、野間口陽】

毎日新聞

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