選挙時のSNS規制に向け与野党が協議 グーグルなどから意見聴取

2025/05/09 16:28 

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 与野党は8日、選挙制度について協議する超党派協議会を開催した。選挙中の交流サイト(SNS)による偽情報や中傷の拡散などに対する規制強化に向け、グーグルなど主要なプラットフォーム事業者3社からヒアリングを実施した。自民党は他人の権利を侵害する投稿の迅速な削除など、事業者の責任を明確化する法改正を検討しているが、憲法が規定する「表現の自由」の観点から慎重な意見もあり、今後も各党で議論を重ねる方針だ。

 自民の逢沢一郎座長は会合の冒頭で、「SNSでは誹謗(ひぼう)中傷や偽情報が拡散され、選挙に少なからず影響を与えている」と指摘。「SNSと選挙のあるべき姿について、各党でしっかり勉強をしながら適切に方向性を見いだしていきたい」と呼びかけた。

 ヒアリングは、ユーチューブを傘下に持つグーグルに加え、X、LINE(ライン)ヤフーの3社を対象に実施。各事業者の偽情報のチェック体制や本人確認の方法など現状について聴取した。事業者側からは「選挙に関する情報について事実関係の認定を行うのは非常に難しい」などと規制強化に慎重な意見も上がった。議員側からは、選挙中に投稿者への報酬支払いを停止した場合の効果を問う意見もあったという。

 6月に東京都議選、7月には参院選が控えるが、逢沢氏は3日のNHK番組でSNS規制に関する法改正について「短い時間での立法はなかなか難しい」と述べ、参院選前にこだわらず慎重に議論を進めていく考えを示した。【森口沙織】

毎日新聞

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