日米防衛相会談 中国威圧に「結束し立ち向かう」 抑止力強化で一致
中谷元・防衛相は30日、訪日中のヘグセス米国防長官と防衛省で会談した。ヘグセス氏は日米同盟について「インド太平洋地域における平和と安定の礎」だと強調。中国軍の威圧への対応に日本は「不可欠」な存在だとし、両氏は同盟の抑止力・対処力強化を「切迫感を持って推進」することで一致した。
両氏の対面会談は初めてで約85分間実施した。中国に関し、東シナ・南シナ海での一方的な現状変更の試みに反対し、台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認。ヘグセス氏は在日米軍司令部を「統合軍司令部」に移行させるための「フェーズ1を開始した」と伝え、司令部を増員すると表明した。防衛省が24日に発足させた「統合作戦司令部」との連携を通じて作戦調整能力を向上させるとした。
「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)の実現に向け、オーストラリアや韓国、フィリピンなども含めた多国間協力の推進で一致。ミサイルの安定供給を「死活的な課題」(中谷氏)と位置付け、空対空ミサイル「AMRAAM」の共同生産の取り組みを加速させるほか、中谷氏は艦対空ミサイル「SM6」の共同生産の可能性も提起した。宇宙やサイバーセキュリティーの連携強化でも合意した。
会談後の共同記者会見でヘグセス氏は「平和を求めているのであれば、戦争の準備をする必要がある」などと語り、「中国共産党の威圧的な行動に日米は結束して立ち向かう」と宣言。「西太平洋で有事に直面した場合、日本は前線に立つことになる」と述べた。そのような状況になった場合、「日米で互いを支え合う」とした。中谷氏は、台湾有事の際に日本は戦う準備があるのかと記者から問われると「状況に即して判断し、憲法、国際法、国内法令に従って具体的な対応を実施する」と述べるにとどめた。
トランプ米政権関係者たちからは事前に、日本に防衛費や在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の増額を求める発言が続いていたが、会談では具体的な数字を交えた議論はしなかったという。中谷氏は「大切なのは防衛力の中身だ。(防衛力強化は)我が国自身の判断と責任において進めていく」と述べた。ヘグセス氏は「日本は同盟国として模範的な国だ」と称賛しつつ、「(自衛隊に)どういった能力が必要なのかというところを私たちは注視していく」「(抑止力の強化に向けて)全員がもっとしないといけないという責任はある」とも付け加えた。
ヘグセス氏はその後、石破茂首相とも首相公邸で面会した。首相は「日米が同盟関係を強固なものにすることは極めて重要だ」と述べ、ヘグセス氏は「日本、豪州、フィリピン、韓国を含め共に協力していくことが重要だ」と応じた。【中村紬葵、池田直】
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