大阪・泉南市、子どもの権利救済委員会を設置 いじめ相談受け付け

2025/02/21 18:30 

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 大阪府泉南市は21日、市内の子どもがいじめや虐待、差別などを受けた場合、子ども自身から相談や救済の申し立てを受ける「子どもの権利救済委員会」を市と市教育委員会の付属機関として設置すると発表した。市立中学1年の男子生徒(当時13歳)が2022年に自殺し、第三者委員会が24年5月に学校でのいじめを認定したことを受け、市は対策を検討してきた。

 救済委員会は法律や人権、福祉の専門知識を有する3人で構成する。子どもの権利を侵害する疑いがあった場合、子ども自身や保護者らは、教員や保育士の経験者の相談員に対し、面談や電話、メールで相談する。救済委員会は相談員から報告を受け、必要に応じて調査し、問題があれば市などに対して是正勧告や制度改善の要請などをする。独立性を担保し、「自己の発意」で調査できるとした。講じた措置は報告を求め、内容も公表する。

 山本優真市長は記者会見で、生徒の自殺を踏まえ、「二度と同じようなことを起こさないという決意のもとで制度を構築した。どのように子どもの権利を守っていくのかを議論してきた。救済委員会を公的第三者機関と位置付け、子どもたちの相談と救済につなげたい」と述べた。

 市は救済委員会を設置するため、子どもの権利に関する条例の一部改正案を3月議会に提案する。25年度一般会計当初予算案に救済委員の報酬など関連予算872万円を計上した。

 生徒が自殺した問題で、市の第三者委員会の調査報告書は、学校でのいじめを認定し、不登校になった生徒が学校側に強い不信を募らせたことが背景にあったと指摘した。【中村宰和】

毎日新聞

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