米軍、有事で投入戦力を削減へ NATOに文書で提示 米報道
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は12日、トランプ米政権が北大西洋条約機構(NATO)の加盟国に対し、有事の際にNATOに投入する戦力の削減内容を文書で提示したと報じた。戦闘機は3分の1の削減となり、ミサイル搭載の潜水艦や空母打撃群の割り当ても見直される。NATOの長距離攻撃や監視活動の能力が制限される恐れがあり、対ロシアの抑止力低下が懸念される。
NYTは欧州の政府高官2人の話として伝えた。削減内容の文書は今月初旬に示されたという。米欧州軍は5月に米軍の戦力規模の「適正化」として削減方針をNATO加盟国に伝えており、その具体的な内容が明らかになった形だ。
NYTによると削減内容は、F16やF15戦闘機を約150機から約100機に▽海上偵察機は26機から15機に▽空中給油機は8機から0機に▽ミサイル搭載の潜水艦と空母打撃群の割り当てを見直し▽爆撃機の部隊は二つから一つに――など。削減の具体的なスケジュールは公表されていない。米当局者は欧州側の想定よりもはるかに早い時期に実施されると示唆しているという。
削減対象となるのは「NATO兵力モデル」(NFM)という有事の即応態勢の枠組み。加盟国は紛争や加盟国への攻撃などの危機があった際に投入可能な戦力を平時から割り当てている。
NATO欧州連合軍最高司令官を兼務するグリンコウィチ米欧州軍司令官はこれまでに「NFMには米軍との不健全な相互依存があった。複数の戦域で同時多発的な衝突が発生する可能性が米軍戦力の見直しを必要としている」などと説明していた。
トランプ米大統領はかねて欧州のNATO加盟国が「欧州防衛の主たる責任を担うべきだ」と主張。対イラン軍事作戦を巡って、NATOが「非協力的だ」として不満を示し、NATOからの脱退の可能性に言及している。【ブリュッセル鈴木一生】
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