NPT会議が閉幕 成果文書採択できず、茂木外相「極めて残念」

2026/05/23 12:27 

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 米ニューヨークで開かれていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は22日夜(日本時間23日午前)、成果文書を採択できないまま閉幕した。

 茂木敏充外相は23日、成果文書が採択されなかったのは「極めて残念」とした上で、「核軍縮を巡る国際社会の分断が深まる中、NPTの維持・強化は引き続き重要だ。日本は『核兵器のない世界』実現へ現実的かつ実践的な取り組みを一歩ずつ進める」との談話を発表した。

 核を増強する中国や核開発を急ぐ北朝鮮などに周囲を囲まれる日本は、安全保障上の理由から2021年に発効した核兵器禁止条約にはオブザーバー参加も含め慎重な立場を取る。一方、核保有国も参加するNPTについては核軍縮に向けた実効的な枠組みと位置づけてきた。それだけに、3回連続で成果文書が採択できず、空洞化する事態は避けたかったのが本音だ。

 今回は北朝鮮の非核化やイラン核開発問題を巡り米中露などの主張が真っ向から対立する状況となった。日本は1976年にNPTを批准して50年となる節目の年だったが、閣僚でなく副外相らが参加した。

 日本が支援した議長国のベトナムは、文書案から賛否のある表現を相当削除したものの、対立は最後まで解消されなかった。唯一の戦争被爆国の日本はこれまで「核兵器国と非核兵器国の橋渡し役」を自任してきたが、主導権を発揮できず、「課題山積の会議」(外務省関係者)となった。

 会議では、関係が悪化する中国から日本が批判される場面もあった。中国代表は演説で「国際社会は日本の核兵器取得を断固阻止すべきだ」と訴え、日本が反論。茂木氏は22日の記者会見で「中国の演説には根拠のない指摘や多くの誤りが含まれ、到底認められない。事実無根の発言に冷静かつ毅然(きぜん)と対応する」と述べた。【田所柳子】

毎日新聞

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