米連邦地裁、国防総省の取材制限差し止め 「専制の特徴」と批判

2026/04/10 17:56 

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 米首都ワシントンの連邦地裁は9日、国防総省が庁舎内の取材拠点を閉鎖するなどとした新たな取材制限について差し止める判断を示した。同省は昨年10月に導入した米軍などの取材規制について、地裁に「違法で無効」と認定された後、さらに取材規制を強化するような対抗策を打ち出していた。地裁は今回、「政治的言論の抑圧は専制の特徴だ」と厳しく批判し、再び退けた。

 国防総省のパーネル報道官はX(ツイッター)で「決定に同意しない」と述べ、上訴する意向を表明した。

 CNNテレビによると、地裁は一連の規制について「国防長官が国民の受け取る情報を統制するための試みだ」と指摘。報道の自由を保障する米憲法修正第1条の「権利の制限はいかなる時でも危険であり、戦時においてはなおさらだ」と付言した。

 国防総省は昨年10月、記者の取材活動について当局が「安全保障上のリスク」と判断すれば記者証を取り消す可能性があるなどとする新指針をヘグセス国防長官の主導で導入した。米紙ニューヨーク・タイムズは新指針が修正1条に違反するとして訴訟を起こし、地裁が3月に訴えを認める判断を示した。

 国防総省は上訴する一方、安全を担保するための暫定的な措置だとして、庁舎内にある記者室を敷地内の別の建物に移し、記者証の有無に関わらず庁舎内での出入りには職員の同行を義務付けるなど、取材規制をさらに強化する対抗策を打ち出していた。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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