トランプ氏、湾岸諸国に対イラン戦費負担を要求の考え 米報道官
米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦を巡り、米ホワイトハウスのレビット報道官は30日、トランプ米大統領が湾岸諸国に戦費の負担を求める考えを持っていることを明らかにした。報道によると、米国が最初の1週間で費やした戦費は110億ドル(約1兆7500億円)超に上る。戦費負担が増えれば、米国内で反発が強まる可能性もある。
また、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は30日、トランプ氏が側近に対し、原油取引の要衝であるホルムズ海峡が閉鎖されたままでも、米側がイランの海軍の無力化など主要目標を達成した上で、作戦を終了させたい意向を伝えたと報じた。トランプ氏らは海峡を開放する「任務」を実施した場合、作戦期間のめどとしてきた「(2月28日の開始から)4~6週間」を超えてしまうとみているという。
ただ、トランプ氏は30日、自身のソーシャルメディアで、イランとの戦闘終結に向けた協議で早急に合意できなかったり、ホルムズ海峡がすぐに開放されなかったりした場合は、イランの発電所や油井、原油取引の拠点であるカーグ島を「爆破」し、「完全に消し去る」と警告していた。
トランプ氏はこれまでも作戦の終了時期や目的などに関する発言や方針が二転三転しており、出口戦略の欠如が指摘されてきた。早期に作戦を終了させたい意向だとみられるが、地上作戦の可能性も取り沙汰されており、先行きの不透明感が高まっている。
レビット氏は30日の記者会見で、作戦期間について改めて「4~6週間」だと強調した。さらに、イラン側との水面下の協議が順調に進んでいるとも主張。イランが表面上は強気な姿勢を崩していないことを念頭に、「イラン側の公の発言と我々に非公式で伝えてきた内容は大きく異なっている」と説明した。
一方、イラン外務省のバガイ報道官は30日、イランの核施設の解体やホルムズ海峡の開放など15項目からなる米側の停戦に向けた要求について、「過剰で不当な要求だ」と批判。緊張緩和に向けてパキスタンとエジプト、トルコ、サウジアラビアの外相が29日に会談したことを念頭に「地域諸国が戦闘終結に関心を持つことは良いことだが、彼らが設定した枠組みで我々は参加していない」と述べ、距離を置く姿勢を示した。
こうした中、攻撃を強化するイスラエル軍は30日もイラン各地を空爆した。武器を製造する工業団地や研究拠点など170カ所を攻撃。イスラエル軍の報道官は「最優先の標的への攻撃は数日以内に完了するだろう」と述べていた。
また、イスラエル軍はイランが支援するイスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点があるレバノンへの攻撃も続けている。レバノン南部で平和維持活動をする「国連レバノン暫定軍」(UNIFIL)は30日、原因不明の爆発で車に乗っていた隊員2人が死亡したと発表した。29日も隊員1人が死亡している。
イランもイスラエルなどへの攻撃を続けている。イスラエルメディアによると、イスラエル北部ハイファの製油所に30日、ミサイルの破片が落下し、火災が発生した。【ワシントン松井聡、エルサレム松岡大地】
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