燃料不足のタイに異変 ひつぎ見せて給油 ゾウは「徒歩出勤」
中東情勢の緊迫化に伴う世界的なエネルギー危機で、タイでは3月以降、燃料価格の高騰と供給不安から各地のガソリンスタンドで品切れや販売制限が相次ぎ、市民生活に思わぬ影響が広がっている。
地元メディアによると、東部チョンブリー県の寺院で葬儀業を営む男性は3月末、火葬用にディーゼル燃料を携行缶3個に給油しようとしたが、販売制限を理由に地元のガソリンスタンドで拒否された。
男性はその後、遺体を納めたひつぎを車に乗せて再訪。現場で蓋(ふた)を開け、「本当に火葬のためだ」と訴えたところ、ようやく給油が認められたという。男性はSNSで「ここまでしないといけなかったのは初めてだ」と語った。
一方、古都アユタヤの観光施設では、ゾウを運搬するトラックの燃料が確保できず、飼育場から約5キロの道のりをゾウ自ら歩いて移動する「徒歩出勤」を余儀なくされている。
さらに農業地帯では、農業用ディーゼル燃料の不足やコスト削減のため、農業機械に代わり、伝統農法である水牛を農作業に使う動きも広がりつつある。
アヌティン首相は3月中旬、国内の在庫は十分にあるとして国民に冷静な対応を呼びかけたが、相次ぐ買いだめなどにより、一部地域で供給不足の状態が続いている。【バンコク国本愛】
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