米、ロシア産原油購入を30日間許可 価格高騰で制裁緩和、苦肉の策
米財務省は12日、ウクライナへの侵攻を続けるロシアへの制裁を緩和し、露産原油を各国が購入することを一時的に認めると発表した。米国とイスラエルが進める対イランの軍事作戦で原油価格が高騰する中、原油の供給量を増やし、価格を抑える狙いがある。
ロシアにとって原油輸出は戦費調達の手段で、中国やインドが主な輸入国となってきた。和平交渉を仲介するトランプ米大統領はロシアに圧力をかけるため、各国に露産原油の購入停止を求めてきた経緯があり、苦肉の策となる。ウクライナのゼレンスキー大統領は10日、「ウクライナに深刻な打撃となる」として制裁緩和に反対する姿勢を示していた。
発表によると、対象となるのは既に船積みされ、海上輸送中の原油や石油製品のみで、米東部時間4月11日午前0時1分(日本時間同午後1時1分)まで購入できる。露産原油は12日時点で世界30カ所の海域で約1億2400万バレルが留め置かれているとみられる。
ベッセント米財務長官はX(ツイッター)で、「各国が海上で足止めになっている露産原油を購入することを一時的に認める」と説明。あくまで今回の措置は「限定的かつ短期的」だとし、「ロシアに大きな財政的利益をもたらすことにはならない」と強調した。
米側は原油価格の急騰に神経をとがらせており、米財務省は5日、一度は米側と露産原油の購入を減らすことで合意していたインドに対して、30日間に限って露産原油の購入を認める措置を取っていた。
対イランの軍事作戦を巡っては、米側が攻撃を強めているものの、イランは近隣国への反撃を続け、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡も事実上封鎖状態になっている。
米側は現状では目指していた体制転換を実現できていない上、逆に原油価格の急騰で苦しい立場に置かれている。作戦が思惑通りに進まない中、その影響はウクライナ情勢にも波及している。【ワシントン松井聡】
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