モジタバ師「ホルムズ海峡の封鎖続ける」 非対称戦略で長期戦の構え

2026/03/13 10:38 

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 イランの新しい最高指導者に選出されたモジタバ・ハメネイ師(56)が12日、初めて声明を出し、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡について「封鎖を続けなくてはならない」と強調した。近隣国の米軍基地に対する攻撃を継続する姿勢も示し、「殉教者たちの血に報いる」と報復を宣言した。

 イランは近海の船舶に対する攻撃を強めており、ホルムズ海峡では機雷の敷設も始めたとみられている。軍事力で劣勢に立たされる中、今後も軍同士の正面衝突ではなく、世界経済への圧力を強める「非対称戦略」で抵抗を続ける構えとみられる。

 声明はイラン国営テレビでキャスターに読み上げられ、本人の肉声や映像は公開されなかった。モジタバ師は米側の攻撃で負傷したと報じられている。

 声明では「近隣国との友好が必要だと信じている」と述べる一方、一部の国にある米軍基地がイラン攻撃に使用されていると指摘。こうした基地への攻撃は「継続する」と強調し、近隣国に対して米軍基地を閉鎖するよう求めた。

 また、多くの兵士や市民が殺害されたとして、米側に対して「必ず報復する」と宣言。米側に戦争被害の「補償」も要求し、果たされなければ「同じだけの破壊」をもたらすと主張した。

 声明を受け、精鋭軍事組織・革命防衛隊の海軍司令官は12日、X(ツイッター)で「ホルムズ海峡の閉鎖を維持し、最も苛烈な打撃を敵にたたき込む」と表明した。今後も海運に対する攻撃を続けるとみられる。

 湾岸諸国では、イランによるとみられる攻撃の被害が続いている。ロイター通信などによると、ホルムズ海峡では12日、モジタバ師の声明発表に先立ち、コンテナ船に飛翔(ひしょう)体の破片が落ちて火災が起きた。

 また、イラク北部のクルド人自治区では11日夜から12日にかけ、米英などの有志連合軍やフランス軍などの基地が無人機攻撃を受けた。米兵や仏兵が負傷したという。

 イランでも激しい爆撃が続いている。

 米中央軍は12日、これまでに約6000の標的を攻撃し、イランの機雷敷設船約30隻を含む90隻以上の船舶を破壊したと発表した。また、イスラエル軍は12日、首都テヘランの核施設を空爆したと明らかにした。「イランが核開発を進めていた」と主張している。テヘランでは革命防衛隊傘下の民兵組織バシジを標的にした空爆も行った。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、イラン国内では最大320万人が避難生活を強いられており、多くは都市部を離れて北部へと逃れているという。戦闘が長期化すれば、避難民はさらに増加し、人道状況が悪化する可能性がある。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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